シーソーゲーム
 俺は唖然、呆然、愕然だった。自分にはまだ宇宙人という存在が分からない。だがこいつが目的とその詳細を話した。これがすべて事実なのかも分からない。理解は出来るが、その前に目の前で起きている自分とは明らかにかけ離れている事実が例え本当のことでも、
こんなことはありえない。神?神なんていない。いるはずがない。無宗教の俺にとっては神なんて程遠い存在だ。神聖なものと言われても分からない。どこかで常識ではありえないことを否定している自分がいた。認めたくない自分だ。

 しかし心は揺らいでいた。半信半疑が似合う。

 澁はその後を続けた。

「…昔、神はいなかった…」

 なんと。さっきまで神だ、神だと言っていたのに、突然否定し始めた。

「…私が調べている間、気がついた。これは私のデータだったが、神には既知の情報だった。どうやら継承されるとすべてが継がれるようだった。知識も、過去も、権力も、政治も、すべてのルートが受け継がれる。だが神は変わる。たった一年で。この制度が取り上げられたのは人類がこの地に立ち、二千年もすると、そこには指導者や統治者、支配者が地を支配する時代に変わっていた。そして戦は起こり、人々は乱戦の中を生きることを強いられた。その支配する者たちによって…」

 支配という言葉で思い出した。小海の魔女狩りという言葉。時代は違うが、それらは人が人を支配したことによってなってしまった現状だ。いや、今では過去のことか。

 澁の声のトーンはいまだに変わる気配は見せない。

「…だから、その支配者を押さえつけるためだけに神が採用された。これとは別に人々は偶像の神を崇めた。自分たちで創造した神々だ。創造の神を創造し続けた。本当の神を知らないで、心の奥に逃げ道を作った…」

 ここで、一つの疑問が浮かんだ。

「採用したのは、誰なんだ?」

 もっともだと思う。
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