シーソーゲーム
「そりゃそうだろ。二年の頭角的存在の組なんだからな」

 嵯峨野は野球部の中でも相当上手いと聞いている。だから三年の試合でも混ざって出るときがあると聞いたことがある。それが本当なら、優勝候補といわれても当然のことだった。

「お前らも何だかんだ言って、優勝してんじゃん。優勝候補とやってさ」

 まあそうだが。あれはすべてアズサのおかげと言っても過言ではない。あんなに事が上手く進むゲームは初めてだった。しかも全試合コールドゲーム。どこのリーグにも、今までにも新しい記録だった。

「ま、ガンバレや。せいぜい貧血になって倒れんなよ。あ、それと、やりあうことになったらお手柔らかにな」

 高笑いをしてクラスの連中と行ってしまった。

「まあ、全学年の中でも三本の指にはいるチームだからな。負けるか」

「それでもいいや。初戦だったら一試合しかやらないし、第一に疲れないな。それはそれは、グッドアイデアなことで」

 たいした話もせず、それっきり、黙ったまま外に出た。グラウンドに出て、また同じように整列して二日目の開会式が始まった。アズサはすでに並んでいた。

 校長のバカに長くありがたい話を聞きながら、それを子守唄にして立ったまま眠ろうと思ったが、やったことのない未知なことはさすがにやめたほうがいいだろう。もし寝ることに成功はしたものの、そのまま足が崩れて地面に伏せた時、嵯峨野が言ったとおり、俺は貧血だと間違えられるに違いない。

 寝不足から来る睡魔は驚くべき速さで襲ってくる。払ったら来て、払ったら来てときりがない。頭をこっくりこっくりとさせていると、後ろから突かれてやっと目覚めた。

「ありがとな」

 小声で言うが、聞こえただろうか。いくら喧嘩をしているといっても、一応感謝の言葉は言うべきだと思った。だがアズサは聞いていないことだと思う。

 話が止まり、お経は読み終えたかと校長のほうを見た。そして解散となった。

 それにしても、今日一日頑張れとはどういうことだろうか。昨日負けたチームはどうなのだろうか。それとも決勝リーグのチームだけに向けられた言葉か。つまり悔いの無いように頑張れとでも言いたいのだろうか。

「行こうぜ」
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