シーソーゲーム
岸は突然言う。なぜそのようなことを言うのか。
「え…なんで?」
「いや…なんでもない…じゃあね」
「あ、ちょっと」
「何?」
俺は一つ言うことを忘れていた。俺が話しかけるなり、岸はすぐに反応して引き返してきた。
「明日、ソフトボールの打ち上げなんだけど、来るか?」
「リョウ君も行くんでしょ?行くよ」
そう言い残し、背を向けて走り去った。未だ目の下に赤い筋が残っていた。俺が見えなくなるまで、角を曲がるまで岸は走っていった。
辺りはすっかり暗くなり、春なのだが吹く風に身震いを覚える。チカチカと灯りだす外灯に急かされて家までの道は近くに感じる。そしてあの岸の言葉を疑問に持ちながら、帰路についていた。
「悪い。あー疲れたわ」
また朝から早く起きるなんて、予想もしていなかった。二日間連続はさすがに厳しい。連休の一日ぐらい丸一日寝かせて欲しい。
「遅いんだよ、バカ」
家を出て、ここまで急行し、アズサが見えたと思ったら急かされて思い切りペダルを踏んだ。そのおかげで一日に使うスタミナを使い切った。挙句の果てにアズサからバカ扱いにされる。
俺が来るのと同時に岸も現れた。
「お待たせ」
どういうわけか、アズサの表情はみるみる硬くなり、ものすごい形相で岸のほうに振り返った。
「俺が呼んだんだ。知らなかったみたいでさ」
アズサの顔が柔らかくなるように俺は笑いかけたが、その期待は実らなかった。
打ち上げは始まり、適当に食事を楽しんでからゲームセンターやカラオケに行った。ただいつもの日常のように楽しみ、だがその中で浮いていた人物がいた。それがアズサだった。いつもの元気がないように思えた。代わって岸とは今日一番話したのではないか。その節はどうしても名前で呼ぶのは恥ずかしかったので、名前は出さないようにした。
個々が満足したはずの打ち上げだったはずだったが、やはりアズサだけは違う。どうしたのだろうか。
岸と別れると、今まで嘘だったようになってアズサは元気よくなった。そして俺と今まで溜まっていたことを吐き出すようにして話す。
「え…なんで?」
「いや…なんでもない…じゃあね」
「あ、ちょっと」
「何?」
俺は一つ言うことを忘れていた。俺が話しかけるなり、岸はすぐに反応して引き返してきた。
「明日、ソフトボールの打ち上げなんだけど、来るか?」
「リョウ君も行くんでしょ?行くよ」
そう言い残し、背を向けて走り去った。未だ目の下に赤い筋が残っていた。俺が見えなくなるまで、角を曲がるまで岸は走っていった。
辺りはすっかり暗くなり、春なのだが吹く風に身震いを覚える。チカチカと灯りだす外灯に急かされて家までの道は近くに感じる。そしてあの岸の言葉を疑問に持ちながら、帰路についていた。
「悪い。あー疲れたわ」
また朝から早く起きるなんて、予想もしていなかった。二日間連続はさすがに厳しい。連休の一日ぐらい丸一日寝かせて欲しい。
「遅いんだよ、バカ」
家を出て、ここまで急行し、アズサが見えたと思ったら急かされて思い切りペダルを踏んだ。そのおかげで一日に使うスタミナを使い切った。挙句の果てにアズサからバカ扱いにされる。
俺が来るのと同時に岸も現れた。
「お待たせ」
どういうわけか、アズサの表情はみるみる硬くなり、ものすごい形相で岸のほうに振り返った。
「俺が呼んだんだ。知らなかったみたいでさ」
アズサの顔が柔らかくなるように俺は笑いかけたが、その期待は実らなかった。
打ち上げは始まり、適当に食事を楽しんでからゲームセンターやカラオケに行った。ただいつもの日常のように楽しみ、だがその中で浮いていた人物がいた。それがアズサだった。いつもの元気がないように思えた。代わって岸とは今日一番話したのではないか。その節はどうしても名前で呼ぶのは恥ずかしかったので、名前は出さないようにした。
個々が満足したはずの打ち上げだったはずだったが、やはりアズサだけは違う。どうしたのだろうか。
岸と別れると、今まで嘘だったようになってアズサは元気よくなった。そして俺と今まで溜まっていたことを吐き出すようにして話す。