シーソーゲーム
 その自分を分からないもどかしさがいつまで経っても慣れることはない。

 梅雨に入り、いよいよ本降りだろうと予想した日は曇りだった。しかし今にも降り出しそうだった。今日も半分が終わったなと外の曇天模様を眺めて憂鬱な思いにふけていた。昼は食べたし、アズサもミズキもいないしどうしようか。アズサはトイレに行ったきり帰って来ない。ミズキは図書室に調べ物。

「ゴミ溜まってんな」

 クラスに入ってきた先生はゴミ箱を覘いて言った。そしてクラスをキョロキョロと見回し、誰もが先生と目を合わせまいと急に目線をどこかにやる。その中でボーっと先生を見ていた俺と目が合った。

「おい、瀬上。ゴミ出し、頼むな」

 案の定、先生に頼まれる。

 しょうがないという諦めよりも、ちょうど暇であったし、それに二人はこの時間には帰ってこないと思った。だが焼却炉は外にある。その間に雨は降ってこないだろうか。

 昇降口に向かい、靴に履き替え、外に出る。雨は今にも降りだそうとしていた。そういえば、今日もアズサは一緒に帰ろうと言っていたが、どこで待っているのだろうか。

 今にも降り出しそうな空模様を見て小走りになった。いよいよ雨は降ってきたと思った。小雨だった。だがすぐにやむだろうという天気であった。今日はよく分からない。

 そういうわけで、近くの屋根に入るべく、焼却炉までは遠回りだがいつもとは違うほうから向かうことにした。あまり通ったことがなく、久しぶりであったので何だかわくわくした。

 それにしても早く戻らねば本当に降り出しそうだった。少し急ぐか。

 その時である。ふとよそ見をしたように校舎と校舎の間の狭い袋小路を見た。そのほうから声がしたのだった。そこには岸がいた。さらにその奥に、追い詰められているのかアズサがいた。

「私…あんたのこと知っているんだからね。神だってことも…全部知っているんだから」

 岸はそう言った。俺はそう聞いた。

 俺は自然とその二人に目が釘付けになり、足は自然と固まっていた。

 岸は続けた。俺は無言だった。

「アンタ、私を操って、アンタとリョウ君だけがくっつこうとしたんでしょ。今までのこと、何であんただけいい思いをしているの?何でアンタが神で、何でもやっていいの?何で私が、神じゃないの?」
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