blue moon
「赤のチェック柄」


カサのデザインを
答えたのは
青夜ではなくアタシだ。

青夜は言葉が出ないくらい
おどろいている。


「えっ!?なんで?」

青夜の頭の中は
パニックになってるみたいだ。

当然だろう。

自分の思い出話を
アタシが知っているのだから。


「青夜の言ってる女の子って
アタシだよ」

「えっ!?
はぁ!?なんで?」

まだパニックは
おさまらないらしい。

話の途中までは
自分だという
確信がなかった。


アタシにとっては
ただの作業着だが
"白衣"
という特徴で
自分だと確信した。


あの場面を見ていた人がいた事もおどろいたが

それを見ていたのが
今アタシの目の前にいる青夜だという事実。

いったい
どんな巡り合わせなんだろう?


青夜をジッと見つめていると
まだ半信半疑のような
顔をしている。

「まだ信じられない?」

アタシがきくと

「信じられへん」

とつぶやいた。
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