17歳─恋のはじまり─
自宅。

夜中の1時、
千紗が伸びをした。


「もうちょっとだ…」


あと、100羽。

授業もそっちのけで
折り続けて、

立夏にも家で折ってもらって。


瑛司、もうすぐだから
待っててね。

窓の外から見える
月を眺めながら、

あたしはそんなことを思ってた。


今はこんなことしか
出来ないから、

それを精一杯やる。


で、瑛司が目を覚ましたら
大変だったんだからって

愚痴ってやるんだ。


あたしは、

冬空に向かって祈った。


瑛司が、目を覚ましますように…

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