17歳─恋のはじまり─
「ありがとう…」


あたしが泣きながら
瑛司の顔を拭いてると、

佐々木くんは手を
拭き始めた。


「…ふざけんなよ。俺と、何も勝負しながら逝くなんて話がちげーだろ」

「佐々木く…?」

「〜っ、コイツは…いい奴だったよ」

「っ、うん。そうだね」



いつも笑顔で、
いつもバカみたいなことして。

本当に大好きだった。

大好きだったよ。


あたしは紙袋から
千羽鶴を取り出して、


「皆が瑛司にって」

瑛司の身体の上に乗せた。

どうか、

瑛司はこれからも
笑っていますように…
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