愛してもいいですか
「なかなかのチャレンジャーですね」
「チャレンジャーっていうか……チャラいのよ。見た目はいいかもしれないけど、思えば軽そうな顔だったし……」
「どんな人だったんですか?もしかしたら、私は知っているかもしれないですよ」
「背が180近くあって、茶髪で、犬みたいな顔したかわいい系で……」
昨日の姿を思い出しながら特徴をあげていく私に、神永は「あれ、」と心当たりがありそうな顔をしてみせた。
「何、知ってるの?」
「えぇ、私の予想が合っていればその彼……」
着いた最上階で、話しながらエレベーターを降りると、ツカツカと部屋へと入る。
ガチャッと開けた茶色い大きなドアの向こうは、いつも通り日差しの差し込む、大きな窓の社長室。
壁際に並ぶ本棚と、真ん中奥に置かれている私用の大きなデスク。全体的に白とシルバーを基調としたシンプルな部屋。その真ん中にある応接用ソファに座っている姿があった。
「あっ、おはようございます!宝井社長!」
こちらを見てすぐ立ち上がるのは、どこか見覚えがある。
高い背、ハネた栗色の髪、黒い瞳……ニコッと浮かべられた笑顔は、紛れもない昨日と同じもの。
「あ……あああああーーーーー!!!!」
昨日の、ナンパ男!!
驚きながら指差し、声をあげる私に後から部屋に入った神永はビクッとし、目の前のその男はへらっと笑う。