愛してもいいですか
『俺も一度会って話がしたいと思ってました。今夜、三十分だけでも時間貰えませんか?』
予想とは違う、穏やかな彼らしいといえばらしい文に少し安心する。
『うん、わかった』そう返信をして今夜の約束を取り付けた。そんな私へ日向から向けられるのは無言の眼差し。
「……なによ、じっと見て」
「いえ、別に」
いつもなら一言二言言ってくるくせに、今日は何も言わず日向は部屋を出て行く。
……なによ。
寧ろ、いつものように軽口叩いて怒鳴らせてくれたほうが、よっぽど気持ち的に安心するのに。