Candy House
「いただきます」

手をあわせると、ナポリタンをフォークに巻くと口に入れた。

「…美味しいです」

トマトケチャップと――隠し味なのだろう――粉チーズの味が口いっぱいに広がった。

久しぶりの食事に、フォークが止まらない。

「念のために言っておくけどさ」

ナポリタンを頬張っているあたしに、それまで黙っていた上野さんが言った。

あたしはフォークを動かしていた手を止めると、上野さんの声に耳を傾けた。

「別に食べてていいけどさ」

上野さんは苦笑いをした後、
「ここ、自分ン家だって思っていいから」
と、言った。

「えっ?」

聞き返したあたしに、
「だって今日からノゾミちゃんはここに住んで、ここで働くんでしょ?」

上野さんが言った。
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