手をのばす
数時間後、軽くなったふわふわと揺れる髪にすっかり満足していた。

「おつかれさまでしたー」という声を背中に浴びながら会計に向かう。

待合のソファに沙耶の姿はなかった。

まだ終わっていないようだ。

これ幸いとバッグを受け取ってすぐに指輪をはめた。

ほっと息をつく。


しばらくソファで雑誌を読んでいると、沙耶が「お待たせ」と姿を見せた。

茶色がかった髪に、ゆるくパーマがかかっている。

・・・・・・それは、私とほぼ同じ髪型だった。


「どうかな?由紀子と同じようにして欲しいってお願いしたの」

担当の美容師さんもさぞ戸惑ったろう。

私は肩をすくめた。

「う、うん、似合うよ」

「ありがと、由紀子もとっても似合ってるよーかわいい!」

私の髪に軽く触れながら沙耶は微笑んだ。
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