手をのばす
それにしても、毎週のように沙耶と私はさまざまな買い物に出かけているので、使う化粧品の数は以前に比べかなり充実していた。



小さな化粧ポーチの中身は目新しくてかわいらしいケースで満たされ、それを見るだけで甘い気持ちになる。



こういう「オンナ」を全面に出すようなものを所有する、そして外見を変えてゆく。


そんな楽しさを教えてくれたのも沙耶だ。


朝身支度して全身鏡の前に立つと、以前の私から見れば別人かもしれない。


なんてちょっとうぬぼれかもしれないけれど、そう思う。


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