手をのばす
そのうぬぼれに、いつだって沙耶が

「わあその髪型似合う!かわいい」

「その服由紀子にとっても似合ってるね」と賞賛のエッセンスを振りかけてくれる。


それはとても心地よいものだった。


そう思いながらふと沙耶の方を見ると、小さなポーチからシャドウを手に取ったところだった。

そのケースは見慣れたもので、

「あれ?」と思った。


沙耶と選んで特に気に入って、私が毎日のように使っているものと同じだ。

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