『エレベーター』from The Eleveter

2。

奴は音もなく歩く。まるで幽霊の様に。しかし足はある、足は人間のものと同じく指5本で親指も小指もある。ここまでは問題ない、一瞬声をかけそうになった位だ。しかし足から上方は問題だ。まず急激に足首から細くなり始めている、普通の人間の膝のお皿のところは太さ1インチ位しかなく、もちろんお皿、膝などはない。その部位から上はだんだんと太くなり始めている。まるで足の形は砂時計の様だ。三角形の線を太くしたアルファベットのXの様にも見える。

その足の上は狂気に駆られる物だった。この世の物ではない、サイエンス誌に登載されているUFOの宇宙人の想像図−古いものではくらげの様な頭と蛸の様な足がある形。今現時点では人間の様な形をしていて頭が大きく見た目位では可愛いものだ−そんな物ではない、新種の生き物なんて物でもない、未確認動物UMAでも発見されたとしても今見ている物体よりは遥かに可愛いものだろう。

巨大な口がある。その口には無数の巨大な牙が生えている。口は完全に開けば縦2フィート、いや3フィートになるはずだ。牙も1本1本長さ8インチ、太さ4インチはあるはずだ。絶え間なく垂れるよだれ、奴らは空腹なんだ!ジョンは思った。
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