一生に二度の初恋を『あなたへ』
・春の記憶
雑音がもっとすればいいと思う。
賑やかなのはあまり好きではないけれど、何も考えないでいい。
夜の街は明かりと声ともので溢れかえる。
そんな場所に合わせれるように、服もメイクもはっきり言って普通の女子中学生と同じ程度にしか興味なかったけど、覚えた。
幸いどっちかというと大人っぽい顔付きに背も低くはない標準。
あと猫目だし。コンプレックスだけど。
中学生といえど意外にバレないものだよね。
補導なんてされたことない。
大人でも日本人だったら童顔なんていっぱいいるからかな。
「ふぅ……」
疲れたな……息が白い。暖かいところに行きたいけど、家には戻りたくない。
家族はもう寝てる……から一人になってしまう。一人になると色々なことを思い出してしまうから。
わたしは道の端に座り込んで身体を温めるように膝を抱いた。