命預けます・・・あなたに・・・。
「疲れますね・・・。」


彼女のポツンと言った言葉に、
俺はドキッとした。


「何故だ?」


「だって・・・・
誰も見てはくれません。

本当の私の姿を・・・

先生だけですよ・・。」


「そっか?

俺は誰に対しても、
一定の距離でしか接していないし、
これからもだ。」


俺は彼女に嘘をつきながら、
話すしかなかった。


「それでも良い・・・。

先生なら・・・

何故私はこんな家の子に、
生まれてしまったんだろう?」


「そうだな・・・。」


お互いに抱えている物の
大きさが同じだった・・。
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