一緒に、帰ろうよ。
入学してから2ヶ月間、さすがに一緒に帰っていると周りにも関係が怪しまれて、
俺は正直、バラバラで帰りたい。
…でも、心の中では、そういう"関係"になりたいわけで。
「それで、カナが──…」
今、こいつが話しているのは、クラスの男子のカナ。
名前は女子らしいけど、サッカー部のフォワードをつとめる、バリバリの男子だ。
最近、こいつはカナの話をよくする。
「でね、最近はカナに色々相談に乗ってもらってるの!」
嬉しそうに話すミコ。
でも、俺は全然嬉しくない。
「ああ、そうか」と適当にあしらい、
俺は歩く。
「──…ばいいのに」
「あ? なんて?」
「な、なんにもない!」
何か、呟いた気がしたんだが。
まあ、いいか。