劣等審判
 ――――ピピピピピ。

ぎこちない目覚ましの音が部屋に響く。

 目を擦ると、目が覚めるような気がした。

またあの夢。彼女を…殺す夢。誰も望んでいないはずなのに。夢のなかの彼女はいじめられている。

 首を横に振り顔を洗いに洗面所へ向かう。これは僕にとっての平凡。誰にとっても…平凡。

 重い荷物の入った鞄を持ち、急ぎ足で出掛ける。あぁ、学校が嫌だ。いきたくない。こう思うことは僕にとっての平凡なんだ。
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