劣等審判
「やめろっ!!」



　千葉が2人の手首を押さえた。力が強いようで2人は身動きがとれない。



「っ…」




　山口が千葉の手をはらった。



「ここで殺し合って何になるんだよ」



　千葉に賛同するように滋賀が言った。



「後でやるも、今やるも死ぬことにはかわりはないでしょ？」



　宮城が鋭い目付きでいった。



「そうだけど、さ。2人の知ってることで悪人を見つけられるかもしれないでしょ？」



　僕は宮城の機嫌をとるように言った。こんな言葉で機嫌が直るなら本気で山口を殺そうとなんてしないだろう。




「っ…もういいよ…」



　山口が諦めたように言った。それでも山口と
宮城は目を合わせようとしない。




　――ヴー、ヴ、ヴ。


　僕のスマートフォンがなった。

　続けて皆もなった。



　この音はLINEの音だろう。


　もしかして親かもしれない。


　でも全員同時に…？







　親であってほしかった。







 　
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