完璧上司は激甘主義!?
一気に高まる鼓動を押さえながら、小走りで玄関へと向かう。

「いま開けます」

玄関前で一呼吸をし、そっとドアを開けるとそこには、私服姿の南課長が立っていた。
ポロシャツの上に羽織られたジャケットに、黒のチノパン姿の南課長。
一般的なファッションだけど、南課長が着ているとオシャレな服装に見えるから不思議だ。
よく洋服負けしているなんて言うけれど、南課長の場合は逆だよ。洋服が南課長に負けている。

初めて見る南課長の姿に、ドアノブを握りしめたまま立ち尽くしてしまっていると、南課長は怪訝そうに表情を歪めた。

「その顔……まさかまだ準備が出来ていないのか?」

「――え?準備??」

南課長の言葉に、ポンと浮かぶハテナマークの山。

え?準備ってなに?掃除の準備??

「えって……言っただろ?一時に迎えに来ると」

「はぁ……ですから準備しておきましたけど」

ちゃんと部屋も片付けたし、いつでも家事を教われるよう動きやすい服装に着替えた。

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