完璧上司は激甘主義!?
慌てて返事を返すものの、南課長はいまだに怪訝そうに私を見つめたまま。

あれ?ちゃんと大丈夫だって伝えたんだけどな。だめだった?

相変わらず真意を掴めない南課長の様子を窺っていると、なぜか深い溜息を漏らした。

「乗りかかった船だ。……定期的に指導してやるから」

「――え?定期的に??」

驚きのあまりオウム返しをしてしまうと、南課長は私からカートを奪った。

「そうだ。時々抜き打ちチェックをする。それなら気が抜けないだろ?」

少しだけ口角を上げて、さっきの子供っっぽい名残を写すように微笑む南課長。

それってつまり、定期的に家に来る……ってことだよね?
なんか……やばいかも。それ。

しばらくずっと“上司と部下”の関係が続いていくのだと思っていた。
だって相手はあの南課長だし、長期戦は覚悟していたし。
最悪片思いのまま終わってしまうことも、どこかで覚悟していたのかもしれない。
だからきっとズボラな自宅での生活を変えようと、行動に移せなかったんだ。

でもそんなズボラな自分のおかげで今、私は最大のチャンスを掴んでいるのかもしれない。
“上司と部下”以上の関係になるための、大きなチャンスを――。
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