完璧上司は激甘主義!?
「良かったらどうぞ」

「え……でも」

まだ勤務中だし、なにより私、研修中の身だし。

だけどそんな私の考えなどお見通しだったようで、永井さんは自分の分のカップを持ちにっこりと微笑んだ。

「たまには休息も必要よ?研修期間は長いんだから、どこかで気を抜かなきゃ。……疲れが溜まっちゃうわよ」

あぁ。この人は本当にデキる女だ。
たった二週間しかいない私のことまで気に掛けてくれるのだから。
しかも疲れていること、見抜かれているし。

「すみません、いただきます」

ここは素直に好意に甘えようと思い、そっとカップを受け取る。

湯気の立つ珈琲を冷ましながら口に含むと、ホッとさせられる。
温かくて何より美味しくて。
緊張の糸が少しずつ解けていく感じ。

「どう?サロンに来ての感想は」

永井さんは珈琲を啜りながら、世間話をするように聞いてきた。

「えっと……企画課とは違い、本当生の現場なので学べることが沢山あって勉強になります」

当たり障りのない、だけど感じたままを言葉にすると永井さんは嬉しそうに微笑んだ。


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