完璧上司は激甘主義!?
「びっくりしちゃったよ。……まさかの永井さん!?って感じで」

目の前に鏡があるわけじゃないから、自分が今、どんな顔をして未希に話しているのかなんて分からない。
でも横を向けば未希は、神妙な面持ちで私を見つめていたものだから、相当未希を困らせるような表情をしてしまっているのだろう。

「でっ、でもさ!永井さんってショーコさんじゃないし!……きっとただ食事をしていただけ、だと思うんだけどさ……」

これ以上未希を困らせたくなくて、また自分に言い聞かせるように都合のいい考えを口にするものの、虚しさが募っていくだけだった。
だってあの雰囲気、どう見てもただの同僚って感じではなかったし。

しかもお似合いすぎるよ。
仕事に対する考え方が同じで、きっと永井さんなら私生活でもパーフェクトに違いない。
例え今、ふたりがそういう関係ではないとしても、南課長が好きになるのは永井さんみたいな女性なんだ。……ショーコさんだってきっと、永井さんみたいな人なんだよ。

ますます虚しさは増していく。
いつの間にか表情を作ることさえできなくなっていた。

すると未希は、そんな私の背中をそっと撫でてくれた。
励ますように、そして慰めるように――……。
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