完璧上司は激甘主義!?
自分で言っておきながら、本当にそうだと思う。
偶然あの日、南課長に見つけてもらえなかったら私は今でもきっと、南課長に憧れて片思いしていたよ。

「ねぇ、麻帆……実際さ、麻帆的にはどうなのよ。……今でも南課長のことが好きなの?」

缶ビールをテーブルの上に置き、神妙な面持ちを見せた未希に、さっきまで騒いでいた斗真も察したのか急に静かになり、私を見つめてくる。
ふたりに見つめられると本当、居たたまれない気持ちになるよ。でも――……。

「好き……だよ。だってさ、好きって気持ちはそう簡単に消えたりしないでしょ?……っていうか消せないよ」

「……そっか」

そうだよ。
好きって気持ちは簡単には消えない。
例え南課長が恋愛においては理想と違ったとしても、そう簡単に嫌いになれたりしない。

乾いた喉を潤おすようにビールを飲み干すと、なぜか斗真と未希は目配せをしながら「どうする?」と小声で言い合い始めた。

「ちょっとふたりしてなに?私に隠し事?」

敢えて明るく聞くと、観念したように斗真は大きく息を吐いた。

「未希!俺はやっぱり麻帆に話した方がいいと思うから話すからな!!」

「えっ?」

決意表明をするかのように大声で叫ぶと、斗真は硬い表情のまま真っ直ぐ私を見つめてくるものだから、身構えてしまった。
< 202 / 410 >

この作品をシェア

pagetop