完璧上司は激甘主義!?
そんな多忙な未希と休憩時間が被るのは珍しいこと。
私とは違っていつも決まった時間に休憩に上がれず、なんてことはしょっちゅうだから。
だからきっとこうして私のことを張ってくれていたんだと思うけど。


サロンは当然一階にあり、二階・三階には式場や披露宴会場。
そして四階から六階は各事業所が設置されている。
【都会の中で素的なウエディングを】というのが、我が社のモットーであるだけあって、都心部にありながら一階部分のテラスには緑が溢れて、開放的な造りとなっている。

それに私が南課長と出会った公園でも、ウエディング写真撮影プランも好評で、都心部にいながら緑の中で思い出の一枚を残せると、かなり評判だと聞いた。

いまだに雑用のみの私とは違って、未希はサロンで第一線で既に仕事をしている。
でもそれも頷ける。
社内研修で感じたもの。
未希は現場向きなんだろうなって。

そんなことを考えながらも未希とふたり、エレベーターが到着するのを待っていると、急に背後から肩をガッチリと掴まれてしまった。

驚きすぐさま振り返ると、そこには少しだけ息を切らした未希同様同期で、そして同じブライダル企画課の安田斗真が立っていた。
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