完璧上司は激甘主義!?
一瞬返品しようとも思ったが、買ってしまった手前気恥ずかしさもあり、そのままバッグに入れてしまったが……。

「たまたま、だ」

そう自分に言い聞かせる。

そうだ。
俺は新の部屋を掃除した以上、彼女の趣向を知っていた。たまたま見つけたから買っただけだ。
それ以上の意味などない。

それに、これはズボラな彼女なりに頑張っていることに対しての、褒美みたいなもの。
そう言って渡せば変にとられないだろう。
そして出張を終え、東京に戻ってきた俺の足は、なぜか迷うことなく新のマンションへと向かっていたんだ。



ただ、久し振りに新の顔が見たかっただけだった。
それ以上の意味などなかった。なのに――……。



「こういうことされちゃうと辛いんです!……南課長が好きだからっ」

叫ぶような言葉――……。

「……新……?」

突然の告白に、信じられなくてただ新を見つめることしか出来なかった。
すると新は、信じてくれと言わんばかりに俺を真っ直ぐ見つめたまま、気持ちをぶつけてきた。

「好きなんです。……南課長は覚えていないかもしれませんが入社説明会の日、一目惚れしました。無事に入社することででき、同じ部署に配属された時は嬉しくてたまりませんでした」
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