完璧上司は激甘主義!?
心臓をハンマーで叩かれたような衝撃を受けた。

やだな。人に言われて気付くなんて――……。
大高さんの言う通りだ。私にとって南課長はそういう人。他人に見せられないような一面を見せられちゃう人なんだ。

「その顔だと図星のようですね」

「あっ、いや、その……!」

どんな風に返したらいいのか分からず困ってしまう。仮にも自分に好意を寄せてくれている人に対して、易々とノロケられるわけないし。
すると大高さんは大きく息を吐き、少しだけ目を伏せた。

「いいんです。……きっと僕は南さんに恋している新さんだからこそ、好きになったのかもしれませんから。このドレスは、初心に返させて頂けたお礼と、僕からの最後の気持ちとして受け取って頂けませんか?……ビジネスパートナーとして」

「大高さん……」

いいのだろうか?
だって大高さんは有名なデザイナーで、それこそドレス一着で相当な値がつくはず。それを無償で頂いたりしちゃって、いいのかな?

返事に迷っていると、なぜか大高さんは堪えられなくなったように吹き出した。

「あの、ここは即答して頂きたかったんですが。……これじゃ僕、振られて終わりのカッコつかない男じゃないですか。気持ち良く受け取って頂き、そして沢山のお客様へ提供して頂けると有難いのですが」
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