完璧上司は激甘主義!?
「……は?単純!?」

「そ!」

そう言うとすっかりといつもの斗真に戻っていて、子供っぽい笑顔を見せては笑い出す。

「ちょっとそれどういう意味よ!」

「そのままの意味だよ!」

言い返すものの、斗真はすでに帰り支度をはじめ、身支度を整え出した。

「悪いけど俺は自分の意思は曲げないタイプだから。……いくら同期と言えど、俺はそんなに田村さんと気心が知れているわけじゃねぇし。今日は外回りでクタクタだから帰るぞ」

「え……あっ!斗真!?」

一方的に話すと、斗真は手を上げてオフィスを出ていく。

「麻帆もほどほどにしておけよ」

オフィスを出る直前、そんな言葉を残して……。

「……帰っちゃった」

斗真と話しているうちに、いつの間にかみんな帰ってしまっていて、気付けばブライダル企画課には私ひとりだけ。
入社して以降、初めてかもしれない。
夜のオフィスにひとりだなんて。

「どうしようかな」

南課長と斗真の言葉が頭をよぎる。
それでも斗真が言うように、私だって自分の意思を貫きたいとも思う。

もう一度時計を見て時間を確認し、椅子の背もたれに寄りかかった。

「あと少しだけ待ってみようかな」
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