完璧上司は激甘主義!?
こんなのよくないことなのかもしれないけど、でも私が田村さんの立場だったら、戻ってきた時に誰かいてくれたらやっぱり嬉しいもの。

でも正直、疲れたのも確か。

誰もいないし、こんな時間だけど眠気覚ましに珈琲でも淹れちゃおうかな。
重い腰を上げた時。

「あれ……?新さん?」

静かなオフィスに聞こえてきた声。
入口に立っていたのは、額に汗を光らせた田村さんだった。

「どうしたの?こんな遅い時間まで」

「あ……その……」

本当は田村さんが心配で待っていたくせに、急に戻ってきた田村さんを前にうまく言葉が出てきてくれない。
するとそんな私の様子を見た田村さんが、疑問交じりに聞いてきた。

「……もしかして、私のこと待っててくれたの?」

勘違いだったら恥ずかしい。そう言いたそうに恐る恐る聞いてきた田村さん。
その真意は私にも伝わってきて、安心させたい一心ですぐに答えた。

「うん。……もしかしたら余計なお世話だったかもしれないんだけど、その……田村さんが心配で」

「新さん……」

田村さんは驚いた表情を見せたものの、その表情はゆっくりと解されていく。

「嬉しい。……こんな時間まで待っていてくれてありがとう」
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