女スパイとオセロ王子
「大丈夫?何かされた?」

「ううん、平気。ちょっとびっくりしただけ。心配してくれてありがとう」


わざとらしい猫なで声は、砂糖がどっさり入ったお菓子みたいに甘ったるくて、ムカムカしてきそうだった。


こいつの名前は鰐淵ナナ。

通称わにぶー。


かわいいくせにまぬけなあだ名。


あたしの1つ年下の1年生で、噂では今この学校で一番モテるらしい。


見るたびに男の子と一緒にいる。


たしかにかわいいとは思うけど、シノの方がよっぽどキレイで、よっぽど魅力的だと思うけど。


比べるのもおこがましいくらい。


それからわにぶーはその性格の悪さから、今この学校で一番女子に嫌われているらしい。


ちなみにあたしは他の子たちが悪口を言っているのを聞いても、

気分を害するほど好きでもなければ、

共感するほど嫌いでもない。


つまり、どうでもいいのだ。

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