私に意味を。
でも、それと私の名前の意味とは、何が関係するんだろう?

そんなことを考えていた。

『朝日はさ、夕日があるから、“明るい”ってわかるでしょ?夕日はさ、朝日があるから、“美しい”ってわかるでしょ?だからね、貴方達にもそんな風にお互いがお互いを尊重する子になって欲しかったの。』

・・・お互いがお互いを、尊重する。

それは私が朝日ちゃんを、朝日ちゃんが私を、尊重するってことでしょ?

でも、朝日ちゃんがいなくなったら。

私の意味は、無いの?

『・・・ありがとう、お母さん。』

本当は、もっと知りたかった。

本当は、朝日ちゃんは関係無い、私の意味が知りたかった。

でもそれは、朝日ちゃんの存在が必要ないって言うことになってしまうし。

もしそれで、意味なんてないって言われたら、私は立ち直れないだろう。

それに一番の理由は・・・お母さんだ。

お母さんが、いつもニコニコしているお母さんが、朝日ちゃんの仏壇の前では、泣きそうな顔になる。

いつもいつも。

だから、早く仏壇の前からお母さんを遠ざけたかった。

『ねぇお母さん。私お腹空いちゃった!』

『・・・そっか。じゃあ晩御飯一緒に作ろうか!』

多分私は。

『うん!』

この時に選択を間違えたのだろう。
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