私は彼に愛されているらしい
「ねえ、好き?」

うわ言のように尋ねるとアカツキくんは目を細めて額にキスをしてくれた。

「勿論。」

あなたはいつでも余裕があるのね。

少しも変わらない声色で私を溶かしながら答えてくれる。

「俺に愛されてるって、まだ気付いてないの?」

ううん、気付いてるよ。

でもちゃんと言葉で効かせてほしいじゃない。

態度で満たしてほしいじゃない。

私は彼に愛されているって、ね。


***名前を呼んで   2014.12
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