私は彼に愛されているらしい
「ね、気付くでしょ?ああ、みちるが単純で分かりやすくてお馬鹿だって訳じゃないからね?」

「言ってる!ほぼ同じこと言ってるから!」

「あはは。」

「私のが年上なんだよ?ちょっとは敬ったらどうなの?!」

「そうですよね。だから俺としてはちゃん付けしたいところを気を遣ってさん付けにしてたんですよ。」

「うん?」

「みちるちゃん。」

「ば、馬鹿にしてる!?」

「あはは、馬鹿にはしてないけど…。」

そう言いながらアカツキくんは体を起こして私に覆い被さってきた。

その動きでベッドが軋む。

「欲情はしてる。」

私の体も軋む。

「あ、あの…。」

「もう一回、お相手くださいね?」

「ちょっと待っ…!」

そしてまた私は情熱の世界に引き戻される。

「みちる。」

やっぱり耳に心地いい、まるで媚薬の声に溶かされていくみたい。

ああ、もうだめだ。

< 113 / 138 >

この作品をシェア

pagetop