私は彼に愛されているらしい
「びっくりした。」

「ね。」

「恥ずかしかったけど…やべえ、結構面白かったかも。」

「あはは、よかった。」

「ケーキうまそう。」

そう言ったアカツキくんに誘われて私はお寿司ケーキに視線を向けた。

本当に美味しそうだ。

「みちる。」

「うん?」

名前を呼ばれて顔をあげれば何かを考える間もなく唇が塞がれてしまった。

おかげで視界いっぱいにアカツキくんの顔があって一気に熱が上がる。

「ありがとう。」

満たされた笑顔で伝えてくれたアカツキくんの顔も赤かった。でも私だってそれに負けないくらいの色をしてると思う。

顔が、熱い。

「ど、う、いたし、まして。」

「今すぐここで押し倒したい気分だけど…さすがに店だし。せっかくの料理もまだまだ食べたいから我慢する。」

「ちょ…っアカツキくん!!?」

際どすぎる発言に私は思わず周りに聞かれていないか確認したけど、そうだった、ここは個室だったんだ。

自分が予約したくせに何を焦っているのだとダブルで恥ずかしくて肩を竦めてしまう。

熱い、暑いと両手でパタパタと顔を扇いだ。

しかし本当に時々何を言い出すか分からないから心臓に悪い。

「だからみちるは後で我慢してね。」

「え?」

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