私は彼に愛されているらしい
「こんな話、外では出来ないでしょ。それに飯食いながら面と向かって話すと重いかなって、料理をしながらの軽い感じで探ろうとしてたのに。」

「…結果プロポーズ?」

「つい言っちゃったよ。」

本当はこうなることまで考えてなかった俺はため息を吐いて天井を仰いだ。

あーあ、付き合って3ヶ月でプロポーズってどう考えても早いしなんかカッコ悪いよな。焦って必死な男丸出しじゃねーか、だせえ。

でも。

「あはは!私はラッキーだ。」

みちるさんが笑ってる。

ここ笑うところか?なんかもう、笑ってくれるならそれだけでいいや。

「とりあえず結婚を前提に一緒に暮らさない?そしたらずっと一緒に居られるか分かるでしょ。」

なんて言ってるけど本当はもう結果なんて分かってる。俺はきっと彼女にどんどん依存して離れられなくなっていくだけだ、おそらく彼女もそうなるだろう。

支え合うってそういうこと。

一緒に居ても友達からの急な誘いがあれば行って来いと送り出してくれるみちるさん、あの時くれた言葉を俺は一生を賭けるに値するものとして受け止めた。

「私ならそうするから行っておいで。」

頻繁にそういうことは起こらないという前提があるからだけど、自由にさせてくれる彼女の懐の深さに俺は惚れた。というか痺れた。

相手のことを自分に置き換えて考えることが当たり前な彼女には俺の感動は一生分からないだろう。

予想していた言葉をいつも裏切られる俺の感動も分からないだろうな。

伝わる?本当に嬉しいんだ。

気を遣わなくていい空間を与えてくれるなんてどんなに楽だろう、どんなに自由だろう。

もっと俺を振り回してくれ、それが俺にとって最高の刺激にもなるし最強の愛情表現だと捉えているから。

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