キミとの奇跡
朝、目を覚ますと窓から日差しが漏れていた。
私は学校の準備をして、顔を洗い、髪の毛を結んで家を出ようとしたその時だった。
「るき、お前今日初めての塾だろ?」
黒髪をなびかせて、私に裏切りの目を向けるお兄ちゃん。
「そうだけど、何?」
冷たくそう返す。
お兄ちゃんはそっぽを向いて、
「何でも。」
たった一言を言って部屋を去った。
そう、この前お父さんは私の悪い成績を見てこう言ったのであった。
「るき、お前は今度からここの塾に通え。」
私に冷たい目を向け、ただそれだけを言った。
だから今日から塾に行かなくてはならない。
私は玄関で靴を履くと、さっさとドアを閉めた。

放課後、私は塾に直行した。
初めて行くから授業の10分前に塾に着いた。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
挨拶をするのなんて常識だ。
そんなの。
「北条るきちゃんだよね?」
「はい、そうですが。」
「今日の担当の先生は・・・先生で・・・・」
あー、めんどくさい・・・マジで聞いてられないよ・・・。
「じゃぁ、8番の部屋だから。」
「はい、了解です。」
私は8番の部屋に向かった。
廊下を歩いているとたくさんの教師らしき人とすれ違う。
そんなことでも、この人たちが幸せそうに見えて、憎い気がする。
そのように見える自分が情けなく感じる。
呆れる。
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