初恋はカフェ・ラテ色
「と、とにかくお父さんの思い通りにはならないからね」
「てやんでい。洋輔くん、有無を言わさず妊娠させてしまうんだ」

はあ? お父さんはわかって言ってるの?

私は恥ずかしくなってそっぽを向いた。

洋輔さんも頭に手を置いて困った顔をしていた。

そこへ――

「治夫! まったくいい年こいて、娘になに言ってるんだい。洋輔くんも困ってるだろう」

出ました! お祖母ちゃんの一喝。

シュンとなるお父さんを見て思わず笑ってしまった。

お母さんやお祖母ちゃん、洋輔さんも笑い、病室は和やかな雰囲気になる。

なんて幸せなんだろう……。

洋輔さんを見上げて微笑むと優しい微笑みが返ってくる。

このほのぼのとしたその光景を忘れないように私は心に刻んだ。


END

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