一途な彼は俺様モンスター
大人っぽいと思っていた空翔さんだが、制服姿がすごく似合っていて、全然違和感がない。


どうしてかわからなかったけど、よく見てみると…

空翔さんの髪の色が黒から、明るめの茶色に変わっていたことに気がついた。


髪の色が変わるだけで、こんなにも雰囲気が違くなるんだ…

まあどっちにしても、黒でも茶色でもどんは髪色にしてもかっこいいことには変わりはない。





「えーっと…黒井 空翔です。あ、それはさっき先生が言ったっけ…」


クスクス…


空翔さんがそういうと、クラスメイトたちが笑う。

もう生徒たち(特に女の子)の心を掴んだみたいだ…





「趣味は…運動?…好きな食べ物は…血・・・・おっとチョコレートでーす」



・・・・・。


今、好きな食べ物は『血』って言おうとしてたでしょ?

しかもわざと。


空翔さんがチョコレートが好きなんて、聞いたことないし!

私は好きだけど…




「ま、そんな感じでよろしく」


っ!



空翔さんは、私をチラっと見て言った。


教室中が拍手に包まれている中、私だけなんだかきごちない拍手をしてしまった…



だって…


“よろしく”という言葉は、

このクラスメイトみんなではなく…


私に言われていることに気づいたからだ…





高校3年の二学期…


退屈な学校生活が変わろうとしている…
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