一途な彼は俺様モンスター
学校生活

転校生は同居人

二学期に転校してきた生徒は、私の同居人でした。







「黒井くんて超かっこいいよね!」

「どこのおぼっちゃまだろ~?」

「話しかけちゃおーかなー」

「でも、寝てるよ?」

「きゃ♡かわいい寝顔」

「写メ撮っちゃお~」

「高校生なのに、黒井くんて大人っぽい♪」

「黒井の登場で、他の男子なんて比べ物になんないわー同じ人間とは思えない」

「確に~」



朝のHR後、クラスの女子たちの会話は空翔さんのことで持ちきり。

私はその会話を聞き、ツッコミたくて仕方がなかった…



空翔さん高校生じゃないし。

てゆうか、そもそも人間じゃないし…


それ知ってるのは、この教室で私とバネちゃんだけ。



空翔さんの席は私の席から少し離れた席で、先生に指定された席に座った途端、腕を組んでうつむいて寝てしまった。





寝てる・・・

うたた寝というか、爆睡じゃない?







すると、バネちゃんが私の席から飛んでいき、空翔さんの頭に乗る。





空翔さんに話しかけたいけど…

女子の目が気になるなぁ…


聞きたいことがいっぱいあるのに…



私はポケットに入れていたスマホを、なんとなく取り出した。




メールで聞こうかな…

でも、今寝てるしな…






「なぁ…なんか飲み物くれ」



っっ!!!!!





いつの間にか私の横には空翔さんがいて、眠そうな顔で私に手を差し出していた。

空翔さんの頭には、バネちゃんが乗っている。


クラスメイトの女子たちの視線が、一気に私に注目する。






「つ、空翔さんちょっとこっちに!」

「あ?ちょ…」


私は空翔さんの手を引っ張り、教室から逃げるように出た。

< 120 / 202 >

この作品をシェア

pagetop