一途な彼は俺様モンスター
「俺もあるよ」

「っ!」


そう言って、空翔は前を向いた。


俺もってことは…どういうことなんだろうと思ったが…今はもう、聞き返す余裕はなかった。

とにかく今は、紙神を倒すしかない…大丈夫。空翔なら勝てる…





「浅海さま!ここは危険なので、あっちに行きましょう!」


すると、近くにいたバネちゃんが私の手を引っ張った。




「バネちゃん!体はもう大丈夫!?熱は!!?」


ずっと心配してたんだよ…



「浅海さまの血のおかげで、もう大丈夫デス!ありがとうございました!」

「ううん…バネちゃんが無事で良かった…」


私はバネちゃんに手を引かれて、近くにある大きな岩影に隠れた。そして、空翔と紙神の方に目をやると…なんともいえない凍りつくような空気が漂ってきた。



なんだか嫌な予感がする…気のせいだといいんだけど……





「フフフフ…」


その時…紙神が突然肩を震わせて笑い始めた。すると…



ゴクゴクゴクゴクゴクゴク…


自分の着ている白い服の懐から、赤い液体の入った容器を何個か出して、それを一気に飲み始めた。


あの液体は…もしかして……




「それ…浅海の血か?」


その光景を見て、空翔が冷静に質問する。




「…ああ。浅海と暮らしていた時…あいつを妖力で眠りにつかせ、夜な夜な血を摂取していたからな…浅海の血液はたくさんストックしてある…」


そうだったの…?そんなことをやっていたなんて、全然知らなかった…

嫌な予感はこれだったのかな…

私の血を飲んだ紙神は、力がみなぎったような顔つきになり、どこか余裕の表情を見せた。







「お前の体内に浅海の血があると思うと…嫉妬すると同時に…虫酸が走る…」

「嫉妬するってことは、お前もこの血を欲しがっているということか?」

「いや、血なんかいらねえよ…興味ないし。でも他の男の体内に、浅海の血が流れてることに嫉妬するって意味だ…」



空翔…


空翔の口調は冷たく、怒り、そして…人間みのないように聞こえる。

もしかして…これがヴァンパイアなの…?







「今から…お前の体から、浅海の血を一滴残らず搾り出してやる…」


空翔の目が赤く光った。

戦いが…幕を開けた…
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