愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 お局も彼には媚びる。

 成宮が来るという情報が入ると、彼女は後輩の秘書に有名店のケーキを買って来させ、成宮に出すのだ。

 ケーキを運ぶのはいつもお局だった。

「会長はお怒りになりますよ。早瀬さんのことも報告します」

 成宮さんは私の方に近づくと耳元で囁いた。

「そんなポンコツの身体で彼と本当に結婚するつもりですか?」

 機械みたいに冷たい声だった。

 わかりきってる事だったが、実際に他人に言われると心が凍る気がした。

 成宮は何で私の手術の事まで知っているのだろう。

 彼と私は面識はあるが挨拶を交わす程度だ。

 誉の身辺を調べたのだろうか。

 私の事を調べたって意味ないのに。 
 
 そう、これはただの芝居だ。

 成宮も無駄な事をする。
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