愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 お局が顔を真っ赤にして、ファスナーを慌てて押さえる。

 男の人に指摘されるのは相当恥ずかしいよね。

「人の事言う前に、自分の身だしなみに気をつけろよ」

 一ノ瀬くんの目はとても冷ややかだ。

 女にも容赦ないんだな。

「あなた達覚えてなさいよ。絶対にうちにいられなくしてやるんだから!」 

 西園寺さんが甲高い声で怒鳴る。

 彼女は社食にいたみんなの視線を集めていた。

「女の嫉妬は醜いですよ。社長秘書なら引き際くらいわきまえてますよね?」 

 天使から一転悪魔に変貌した片山くんが、冷めた目で西園寺さんを見据える。

 片山くん、いつもニコニコしてるのに、怒らせると怖いんだ。

 なんか、片山くんと一ノ瀬くんのお陰で私の出る幕なかったな。

「……絶対許さないんだから」

 西園寺さんが悔しそうに歯ぎしりしながら後輩を連れて出て行く。

「とんだ邪魔が入っちゃいましたね。さあ、気を取り直して食べましょう」
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