愛しい君~イジワル御曹司は派遣秘書を貪りたい~
 今度は天使の顔で片山くんがにっこり笑う。

 横にいる一ノ瀬くんはすでに2杯目のドンブリを口に運んでいた。

 2人ともナイトみたいで頼もしい。

「2人ともありがとう。助かったよ。前、秘書室にいたからいろいろあったのよね」

「じゃあ、意地悪な質問していいですか?」

 片山くんの目が悪戯っぽく光る。

「何?」

「社長秘書と誉さん、どっちの隣にいる方が良いですか?」

 かなり意地悪な質問だった。

「何その究極な質問。選べないよ。どっちも嫌」

 私が顔をしかめると、片山くんがクスクス声を出して笑った。

「はっきり言いますね。これじゃあ、誉さんも浮かばれないなあ。良いこと教えましょうか。イブに食べたケーキ、誉さんが瑠璃さんのために用意したんですよ」

「・・・・」
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