大っ嫌いなアイツに恋をした。



「どうしてって…心配…だったから。悪りぃかよ」



視線を逸らしそう言う橘。


心配…?
あたしを?


さっきは
"コイツに不審者なんかつくわけねぇもん"

って、そう言ってたよね?



「あ、あたしなら大丈夫だって言ったでしょ!橘だってあたしなんか…っ」



「でも気になってんだよ。わかんねぇけどほっとけなくて勝手に足が動いてここにいんだよ!」



何だか真剣な橘の表情にあたしはなにも言えなくなった。


気になるって何よ。
ほっとけないって何よ。


そんなこと、あたしじゃなくて他の女の子に言ったら勘違いしちゃうんだろうな。


あたしは勘違いしたりなんてしないけど。

しないけど…



「まあ、お前に何もなくて安心したわ。ここまで来たから送ってく」



そう、ふっと笑って言う橘。


そんな顔されたら…ドキッとするじゃん。




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