大っ嫌いなアイツに恋をした。



「…って」


飛び蹴りをするとその黒い影のヤツはゴミ置き場に吹っ飛んだ。


逃げられないよう手をひねり上げると呻くような声をあげる。


「警察、行くわよ!逃がしたりしないんだから!」



腕を後ろで掴んで立ち上がらせようとすると黒い影のヤツはいきなり覆いかぶさるように倒れて来た。



「ぎゃああっ変態イヤ!助け…っ」



「っるせぇ、俺だ、俺!」



何だか聞き覚えのある声に顔をあげると…


「…た、橘っ!?」


しかめっ面をした橘が目の前にいた。



「ってぇな、マジで飛び蹴りするヤツどこにいんだよ!これ俺じゃなかったら気失ってんぞっ!」



制服をはらうと橘はあたしの手を引き寄せ立ち上がらせた。



「た、橘…どうして…」


どうしてここにいるの?



そう聞くと、橘はそっぽを向いた。




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