大っ嫌いなアイツに恋をした。




「そういうお前らは相変わらずうるせぇな!ちょっとは女らしくしろ、そんなんじゃいつまでたっても男出来ねーぞー?」



「うわ〜うっぜ〜悠月はリア充だからってさ〜」



橘も女子たちと楽しそうに話してる。


なんか、なんか…ムカつく。



拳をギュッと握りしめたとき、肩にポンっと手が乗った。



「笹原、よかったな。おめでとー…って一応言っといてやるよ」



フッと笑った声に振り向くと、宮村がいた。




「宮村っ!い、一応って何よ!」



「誰のおかげで告白する気になった?完璧俺のアシストのお陰だろーよ」



イタズラに笑った宮村。


そういえば、夏祭りの花火が打ち上げられる前に背中を押してくれたのは宮村だったね。



「そ、その節は…どうもありがとう」



宮村がいなかったらあたしは自分の気持ち誤魔化し続けていた。


本当、ありがとね。



宮村に笑いかけていると、いきなり肩に乗せられていた彼の手が強引に払われた。




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