大っ嫌いなアイツに恋をした。



あたしは頭に乗せられた腕を思い切り振り払う。


「触んないで!!朝っぱらから何なのよっ!!」


憂鬱原因の張本人を睨みつけるとそいつは顔色を変えず言った。


「何キレてんだよ。可愛く、おはよって言えねぇのかよお前は。」



何が可愛く、おはよ だ!

あんたが突っかかって来るからでしょ!!


朝っぱらから無駄に絡んでくるこの男は橘悠月(タチバナユヅキ)

着崩した制服に茶髪
ピアスやらネックレスやらチャラチャラさせちゃって。
この学校一、喧嘩が強いとされる橘。

そして、端正な顔立ちとモデル並みのルックスで学校一の人気者。

悔しいことに、すごく女の子にモテる。


でも、あたしは橘が嫌いだ。



この前まで殆ど話したことなかったのに。
あることをきっかけにコイツはあたしをからかっては遊んでくる。



「その態度改めたら少しは可愛く見えるんじゃねぇの?」



……っ!!


「うっさい!あんたみたいなチャラいヤツに言われたくない!!」






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