ブンベツ【完】


それから泣き出した私を痛いくらいに閉じ込めて決して離そうとしなかったカイさん。

きっとそのまま泣き疲れて寝たと予想が出来るけど、自分がえらく図太い神経の持ち主だったと自覚する。

そしてここがベッドってことはカイさんがそのまま運んでくれただてことになる。


朝から色々衝撃的すぎて頭が回らない。
兎に角急いでここから出て学校に行かないと遅刻になる!!

ベッドから足をついたとき冷え込む床に身震いがしたけどこんなことしてる場合じゃなくて、焦る私は一目散にドアに向かう。

冷たいドアノブを徐ろに握って捻ったその時、微かに話し声が頭に届いて私の思考と体は止まった。


「…んだよ?」

「まだ寝てる」

「ヤッたのか?…ってお前があの子にそんな事出来ねぇな」

「分かってんなら聞くな」


少し拗ねたようなカイさんの声と、もう一人の男の人の声が微かに聞こえる。

聞き覚えのあるその声は多分、


「いつまでここにいる気だ。いい加減帰れよーーーーーーーーヨシノ」


ヨシノさんのものだ。



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