ブンベツ【完】
閉じていた目が開いて私をはっきりと捉えた。
いつものようにボケた感じじゃなくて声もはっきりとしてる。
「お、起きてたんですか!?」
そんな何で起きてるの!?
いつから!?
「あんたがソワソワしてるから起きたんだよ。ていうか、顔真っ赤じゃん」
モソモソと起き上がって枕元に置いてあった煙草を加えながら意地悪く笑った。
起き抜けで煙草なんてどんだけヘビースモーカーなの、なんて突っ込みを入れる暇なんてなく。
今そのネタを引っ張り出されて、どうして赤いのか聞かれたら答えるに答えられない。
だから早く話を変えなきゃいけないのに、
「何想像した?」
カイさんは容赦無く聞いてくる。
絶対からかってる!
「べ、別に何も!」
「何もなくて顔は赤くなんねぇだろ」
「あ、暑いからです!」
「今日はやけにソワソワしてんな」
「そんなことないです!」
自分でもソワソワしてるってわかる手前全然説得力のない私の言葉に、カイさんはフッと鼻で笑った。