深海家奇譚



「父上がこんなに急にお戻りになるとは...何か隣国に良からぬ動きでもあったのかしら...」


嫌な予感が百合の胸をよぎったが、身支度を整えるために踵(きびす)をかえした。









ーーそして数刻後。




城に帰り、身を清め腹を満たした藩主、深海鯨達は大広間に座していた。



鯨達の傍らには深海家付忍び組頭、撞木(しゅもく)が控える。


一段低い所に、百合たちは座していた。




< 24 / 29 >

この作品をシェア

pagetop